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においで災害の発生を察知することは可能?

こんにちは!先日、料理をしている最中にガス臭さを感じて慌てたのですが、どこにも異常はなく5分程で消えました。「ごぼうのにおいを勘違いしたのかも」と自分で無理やり結論付けましたが、しばらく不安な時間を過ごしました。

地震発生の前兆として、犬や猫、魚などの異常行動が報じられることがありますが、においによって災害を事前に察知することは可能なのでしょうか?
実際に「地震発生時に異臭がした」という報告はいくつかございます。例えば、阪神淡路大震災の前兆についての証言として、発生前夜に“汚物と漬物が腐ったようなガスのにおいが床下からした”という証言があったようです。また、古くは関東大震災の被害状況等について取り纏められた『大正震災志』に、“地震の発生時に横須賀などでガスが噴出した”という記録が残されております。このような異臭やガスが発生する要因としては、岩石がこすれ合ったり地下のプレートが剥がれかけた際に発生する可能性があり、それが地震の前兆現象になり得ると考える専門家の方もいるようです。最近では、昨年6月に三浦半島で「ガス漏れのようなにおいがする」などの通報が数百件寄せられ、その地域が先述の関東大震災におけるガス発生地域と重なっていたことから、一部で「巨大地震の前兆ではないか?」と言われたことがございました。その後、においの成分分析の結果から「地震の前兆である可能性は低い」と結論付けられておりますが、地震の前兆としてにおいが発生する可能性については、依然として否定出来ないようです。
また、土砂崩れの前兆としてにおいが発生することもあるようで、平成30年の西日本豪雨災害においても、“土石流発生前に異臭を感じた”という報告があります。また、政府としても、土砂災害の前兆の1つに「異臭(腐った土のにおい)の発生」を挙げて注意喚起を行っております。このにおいの原因としては、豪雨時に地盤内のにおいを含む空気が地下水位の発生と上昇によって地表面に押し上げられて発生する可能性があるそうです。そうして発生したにおいが、風などにも影響を受けて上流から下流に流れ、住民の方が感じ取った可能性があるそうです。
もちろん、災害の前には必ず異臭を感じるという訳ではなく、異臭を感じたからと言って必ず災害が起きるという訳でもないのですが、それでも何か普段と違うにおいを感じた場合には、可能な範囲で何かしらの備え・行動を取った方が良さそうです。

放送中のドラマ「日本沈没」を観ながら、災害後の場面で『ここにも普段と違うにおいがしているんだろうな…』と虚実を混同させながら、イヤなにおいを想像していました。
自然災害前の異臭というのは、地球からの警告だったりするのかな?…なんてことをふと思いました。

参考資料:
・土田 孝ら「地盤内のにおい強度と斜面崩壊時のニオイ発生に関する一考察」
(地盤工学ジャーナル 第8巻 第2号 339-348 2012)
・土肥 聖平ら「土石流発生時のニオイの発生と土砂流出の時系列に関する研究」
(公益社団法人地盤工学会中国支部論文報告集 地盤と建設 第37巻 第1号 89-98 2019)
・「土砂災害から身を守る3つのポイント」
(政府広報オンライン 暮らしに役立つ情報 HP)

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