香りと脳との関係
ストレス緩和作用や気分をリフレッシュさせる効果があることに定評のある“香り”。
香りと脳波(α波)との関係について多くの研究が進んでいます。
α波というのは、人間や動物の脳の神経細胞から出る電流のうちのひとつを言います。
このα波の発生を誘発する香りはリラクゼーション効果が高いと考えられます。
それでは、どんな香りがα波を誘発するのでしょう?
(1)様々な品種のコーヒー豆を用いた検証では、グァテマラやブルーマウンテンは
他の品種よりも多くのα波の発生を誘発することが判かりました。
(2)大豆を用いた検証では、焙煎度による結果の違いを検証しています。
中煎りのものは浅煎りや深煎りのものよりもα波の増大が見られました。
(3)ウイスキーを用いた検証では、熟成度による違いを検証しています。結果、
熟成後の方が熟成前よりもα波量が多くなりました。
(4)タバコを用いた検証では、非喫煙者がタバコの吸い殻の匂いを嗅ぐとα波の量が
顕著に減少することが確認されました。
(5)精油を用いた検証では、レモンオイルではα波の増加が確認されませんでしたが、
ラベンダーオイルでは顕著な増加が確認されました。
ご自分の好みから離れて、α波発生の誘発を目的に香りを選んでみるのも面白いかもしれませんね。
目に見えず、触ることも出来ない“香り”。
でも、脳に働きかけて気分を変えてしまう大きな力を持っています。
香りと上手に付き合うことで、心地よい時間を増やしていきたいですね。
引用文献:吉田 隆「嗅覚と匂い・香りの産業利用最前線」(株式会社エヌ・ティー・エス 2013)