忌避剤の効果的な使い方
こんにちは!
全国的に梅雨が明け、本格的な夏がやってまいりました。涼を求めて海へ山へと繰り出したい時期ですが、例年のように気楽に出掛けることが出来ません。より快適な“おうち時間”作りのお役に立てるかもしれないお話をお届けします。
現在、多くのメーカーから虫よけ(忌避剤)が発売されておりますが、ご家庭で忌避剤を使う場合、どこに配置するのが効果的なのでしょうか?
一口に忌避剤と言っても、その対象となる場所や害虫は様々です。つまり、「“どこ”の“どんな害虫”を寄せ付けないようにするのか?」によって、効果的な使い方は変わってくるのです。例えば、コバエのような飛翔虫をターゲットとした場合でも、対策の方法は1つではありません。玄関や窓からの侵入を阻止する為に吊り下げタイプの忌避剤を設置するのも有効ですし、コバエの発生源・誘引源がキッチンの三角コーナーやゴミ箱内の生ゴミであることが多いことを考えると、それらの付近に忌避剤を置いたり吹き付けたりするのも有効です。また、ゴキブリの場合には、水回りや暗闇を好むという習性がありますので、シンク下や戸棚などに置くのが有効です(ゴキブリはその見た目だけでなく衛生面においても悪影響を及ぼしますので、特にキッチン周りの防御を固めるのが好ましいです)。なお、最近ではお部屋全体をカバー出来るような忌避剤も出てきておりますが、ターゲットを絞り、ピンポイントで効果を期待するならば、やはり上述のような手立てが有効です。
また、誘引剤(害虫を引き寄せた上で殺虫成分によって駆除するもの)との併用も有効な手立てですが、誘引剤と忌避剤とを近い距離で置いてしまいますと、誘引剤の“虫を近付ける効果”と、忌避剤の“虫を遠ざける効果”とが相殺されてしまいかねません。この場合は2つの距離をいくらか離すことで、忌避剤から逃げてきた害虫を誘引剤で一網打尽にする…といった効果も期待できるかと思います。
ちなみに、害虫の発生は衛生環境に左右される側面もございます。生ゴミを例にとると、頻繁に処理(廃棄)されている場合とそうでない場合とでは、どちらが虫の発生に繋がりやすいかは明らかだと思います。また、害虫による衣服への食害に関して言えば、頻繁に洗濯していれば衣服に付着した害虫を被害が出る前に処理出来ますが、そうでない場合は虫の成長を妨げる要素が少ない為、被害を受けてしまいやすい訳です(衣替えにより、長期間しまわれている衣服の方が比較的食害を受けやすいのはこの為で、この対策としてタンスやクローゼット用の忌避剤が販売されています)。
「虫のいない世界に住みたい」。虫が苦手な方は、一度はそんなふうに考えたことがあるのではないでしょうか。それを叶えることは出来ませんが、工夫次第で理想の環境に近づけることは可能です。良い時間をお過ごしください。