消臭剤・芳香剤における用途の違い
こんにちは!すでに冷たい飲み物が恋しい気候の京都からお届けします。
お店の棚に並ぶ香り製品。「用途別になっているものがあるけど、どれでも同じでしょ?」と思っておられませんか?今日はそんな疑問の解明をいたします。
消臭剤や芳香剤には「お部屋用」と「トイレ用」に分けられているものがございますが、これらはどのような違いがあるのでしょうか?
まず1つ目は、対象となる“悪臭のタイプが違う”ということです。トイレとお部屋とでは悪臭の原因が異なります。具体的に申し上げますと、トイレの場合は排泄物に由来するアンモニアや硫化水素が悪臭の原因となりますが、お部屋の場合は、体臭や汗、タバコ、生ゴミ、果ては家具や食品も悪臭の原因となります。つまり各商品は、それぞれの悪臭に対して効果的に対応出来るように、消臭成分や香料の配合が工夫されているのです。
次に2つ目は、対象となる“空間の広さが違う”ということです。トイレの場合、一般的には広さが1~2畳程度ですが、お部屋は6畳以上の広さが想定され、更には天井までの高さが異なることもございますので、各々の空間においてしっかりと、かつ適度な香りを感じられるよう作られているのです。従いまして、仮に「お部屋用の芳香剤」をトイレに置いた場合は香りが強過ぎると感じてしまうかもしれませんし、逆に「トイレ用の芳香剤」をお部屋に置いた場合は、香りの強さが物足りなく感じてしまうかもしれないのです。
3つ目は、対象における“人の滞在時間が違う”ということです。トイレにおける滞在時間は数分、長くとも1時間を超えることはまず考えにくいのですが、お部屋の場合は長時間滞在する訳で、各メーカーはこの点を考慮した上で、それぞれの滞在時間(=香りを嗅ぎ続ける時間)に合わせて香りの種類を選定しているのです。また、場合によっては、同じタイプの香り(例えばラベンダー)でも、「トイレ用」と「お部屋用」で香料の種類を変えることで、それぞれの用途において快適に感じられるように工夫がなされている商品もございます。
ちなみに、消臭剤や芳香剤を効果的に使用する為には、その置き方も重要です。悪臭成分は空気より重いものが多く、下の方に溜まりやすい為、消臭剤は低い位置に置くのが効果的です。また、芳香剤から発せられる香りも、基本的には空気より重く下に流れる性質がある為、芳香剤の場合はある程度の高さに置くことで、より鼻で感じられるようになるのです。
消臭剤も芳香剤も計算を重ねて作られています。最大限に効果を発揮させられるよう、使用場所のチェックをして、快適な空間作りをなさってください。
参考資料:
・株式会社エステー HP「身近な疑問」(2014.07.24)